【警鐘】“密猟・密輸”や“飼育放棄“などが問題に…コツメカワウソやスナネコも

今、野生動物をペットとして飼う人が増えています。しかし、生態を十分に理解せずに飼い始め、その後飼育をあきらめてしまうケースもあり、動物園などでは注意を呼びかけています。

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名前の由来は「カワにすむオソろしい生き物」。それを知ってか知らずか、動物園では大人気なのが、東南アジア原産の野生動物「コツメカワウソ」です。上野動物園で開かれたのは、その生態や飼育の難しさを紹介するイベント「飼育員さんだけが知ってるコツメカワウソのウラのカオ」です。

「『お風呂で飼えばいいんじゃないか』と思っちゃう方もいるかと思いますけど、非常にそれは狭いんですね」

コツメカワウソのペット化がブームになる中、その弊害を知ってほしいと企画されました。

WWFジャパン自然保護室 浅川陽子さん
「野生動物のペット利用というのは、密猟・密輸といった違法取引のリスクもあります」

日本では年間で約40万頭もの野生動物が輸入されていますが、その裏で密猟や密輸も絶えず、コツメカワウソに関しては絶滅の危機に直面しているといいます。

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大阪市の水族館「海遊館」で飼育されているコツメカワウソのポポちゃんは、4年前に密輸され、保護された子です。

カワウソを飼育する 海遊館・宮側賀美主任
「親と引き離されてしまったことで、泳ぎ方とかエサのとり方など教えてもらう機会を失ってしまった」

今、野生動物のペット化が増えていて、さまざまな問題が起きているというのです。

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こうした中、“第2のコツメカワウソ”になるのではと危惧されている動物がいます。それは“砂漠の天使”の異名を持つ「スナネコ」です。今年2月、栃木県の「那須どうぶつ王国」では三つ子の赤ちゃんが生まれるなど、「園のアイドル」として人気となりました。

来園者
「飼ってみたいね。飼えるものなら飼ってみたい」

愛らしい姿に、ついペットにしたい気持ちも高まりますが…

那須どうぶつ王国 荒川友紀さん
「人と関わらず野生で生きてきた完全な野生化のネコなので、一般の家庭で飼うというのは非常に難しいと思います」

実は、スナネコは人間にはなつかないどう猛な性格です。スナネコを3年間飼育してきたスタッフも、いまだに手を焼くほどだといいます。

「第2のコツメカワウソにはなってほしくない」という思いで園が制作したのが、「スナネコのうた」です。序盤はかわいらしい歌詞ですが、後半になると「なつかない」、「気性は荒い」、「飼い慣らせると思わないで」など、ペット化に警鐘を鳴らす内容となっています。

那須どうぶつ王国 荒川友紀さん
「家ではなくて、写真や動画を見て、守っていくべき動物だと思っています」

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一方、静岡県河津町にある体感型動物園「iZoo」では、ゾウガメやイグアナなど「は虫類」を中心に展示していますが、実はこれらの一部は元々ペットとして飼われ、園が保護したものです。その理由の多くが病気や転勤など、飼い主のやむを得ない事情だといいますが、最近では…

体感型動物園 iZoo 白輪剛史園長
「(コロナ禍で)は虫類に関しては、飼育人口が圧倒的に増えているんですね」

コロナ禍で飼育を始めた人は、新型コロナウイルスの収束とともに飼育をあきらめる人が多い傾向にあるということです。また、最近多発するヘビやトカゲの脱走は、動物の習性を理解していないがために起きている現象だと指摘します。

体感型動物園 iZoo 白輪剛史園長
「一度飼ったものは責任を持って、その生き物が亡くなるまで逃がさずに、捨てずに飼ってほしい」

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野生動物が幸せに生きるために、飼う側の責任が問われています。
(2022年10月6日放送「news every. 」より)

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