「桃太郎を話すインコが逃げました」うっかり逃げ出しても飼い主のもとに戻ってくるインコのピーちゃん 昔話を話す特技が決め手に

「むかしむかしあるところにおじいさんが住んでいました・・・」昔話の桃太郎を流暢に話すインコがいます。この特技のおかげで、うっかり飼い主から離れ、迷い鳥になってしまう危機を2度も脱しました。セキセイインコのピーちゃん、語り部としての実力とは。

◆青色の鮮やかな羽が特徴のピーちゃん
福岡市に住む高田正子さん(75)。3年前、鮮やかな青色の羽根を持つ、オスのセキセイインコ「ピーちゃん」を飼い始めました。料理をするときもトイレに行くときも、ピーチャンとはいつも一緒です。人懐っこい性格と思いきや、高田さん以外にはなつきません。記者も仲良くなろうと試みたものの、見事に避けられてしまいました。

◆2度行方不明に「もう帰って来ないと思っていた」
高田さんにすっかり懐いているピーちゃんですが、これまでに2度、家の外に飛んでいってしまったことがあるそうです。

高田正子さん(75)
「前に飼っていたインコも、飛んで行ったら帰ってきませんでしたから。もう帰ってこないのが当たり前だと思っていたんですよ。もう駄目だろうと思いながら探し回りました」

◆ピーちゃんを見つけた人「かごに入れたら話し始めた」
最初に逃げたのは、飼い始めてから半年が経った2020年10月。発見した女性によるとベランダに止まっていたインコを鳥かごに入れたところ、突然、話し始めたといいます。

「むかしむかしあるところにおじいさんが住んでいました。おじいさんが山へ柴刈りにお母さんが川で洗濯をしているとどんぶらこどんぶらこと流れてきました」

そう、昔話の「桃太郎」の一節でした。「桃太郎」を流ちょうに話すインコ。これこそがピーちゃんの特技だったのです。

聞いた女性は、この特徴を警察に連絡。迷いインコの届けを出していた高田さんのもとに警察から電話がかかってきました。

高田正子さん(75)
「警察から『3丁目の方が保護されているらしいです。そのインコは青色で、桃太郎を話しているようです。届けたインコではないか』と電話をいただいて、『じゃあもうすぐ行きますから』って言って迎えに行ったんですよ」

この特技のおかげでピーちゃんは無事、高田さんの元に帰ってきました。

◆「桃太郎を話します」貼り紙見た発見者から連絡
2回目に逃げたのは、おととし5月。ピーちゃんが姿を消してすぐに高田さんは「桃太郎を話します」と書いた紙を近くのスーパーの掲示板に貼りました。すると、すぐに保護した人から連絡があったそうです。

高田正子さん(75)
「すぐ近くのスーパーの掲示板に貼らせていただいたんですよ。そしたらたまたま見られたんでしょうね。見つけた方がすぐ電話してきてくださいました。『こういうインコを保護しているから』『ずーっと桃太郎の話をしてました』と」

◆ピーちゃんが話す昔話・桃太郎
ピーちゃんが話す昔話・桃太郎。約30秒の間、流暢に語り続けます。

ピーちゃん
「むかしむかしあるところにおじいさんが住んでいました。おじいさんが山へ柴刈りにお母さんが川で洗濯をしているとどんぶらこどんぶらこと流れてきました。おじいさんは山へ柴刈りにお母さんは川へ洗濯に行きました。お母さんが川で洗濯をしているとどんぶらこどんぶらこと流れてきました。こっちこーい、こっちこーいと引き寄せて、よいしょっと抱え、包丁でジョッキっと切ると中から赤ちゃんがオギャーオギャーと泣いています。桃太郎と名付けました」

◆ぴーちゃんが桃太郎を覚えたきっかけ
どうやって覚えたのでしょうか。

高田正子さん(75)
「私が、桃太郎の話をしていたんですよ。そしたらいつのまにか桃太郎をしゃべるようになったんです」

ピーちゃんに話しかける高田さん
「ピーちゃん桃太郎話してあげるよ」

高田さんがこう言うと、ピーちゃんは、高田さんの手に乗り移り、肩までやってきました。首をかしげて耳を澄まし、桃太郎を話す高田さんの口元をじっと観察しているようにも見えます。

◆インコはなぜ人間の言葉をまねるのか

日本女子大藤原宏子准教授
「インコはつがいの関係をつくる時に、オスがメスの鳴き声を真似する、群れの仲間の声を真似するという習性があります。飼い主さんをつがい相手とか仲間と考えて真似ていると考えられます」

◆ピーちゃんにとって高田さんは「かけがえのない仲間」?!

高田正子さん(75)
「主人が亡くなってさみしくて落ち込んでいたんですけど、ピーが来て毎日楽しく過ごさせていただいてます」

取材からの帰り際、記者も仲良くなりたいと、もう一度ピーちゃんに歩み寄ってみましたがー

RKB 土橋奏太記者
「しっかりと肩にフンを残していかれました」

高田さんとピーちゃん。他人には計り知れない強い絆で結ばれているようです。

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