いま日本各地で大繁殖している外来生物。横浜の住宅街では、新たな問題が起きています。
■住民困惑 インドにいるはずのインコ 大群が…
まず、訪れたのは東京・練馬区。
ここに現れる外来生物とは?近隣住民
「10羽や20羽じゃない、100羽ぐらいは群れになってやってくる夕方になると」午後6時。辺りを警戒していると…
Nスタ
「木の上から鳥の鳴き声が聞こえてきます。すごい鳴き声」住宅街の中にある公園からキーキーという甲高い鳴き声が。
そこにいたのは、緑色の体に赤色のクチバシの鳥。その正体は…本来はインドなどに生息するワカケホンセイインコ。体長はセキセイインコの2倍以上の40センチ。平均寿命は20年以上で繁殖力も極めて高い外来インコです。
近くの竹林には。
Nスタ
「この竹の上… あっまた来た。葉っぱに見えるのは全部インコです」数百羽もの大群が。どうやらこの場所にねぐらを作っているようです。周辺の住民が特に頭を悩ませているのは、夜明けの時間帯。
そこで午前4時、再びねぐらへ行ってみると…
Nスタ
「うわっ音が… 鳥が鳴く声が聞こえる。ここから大量のインコの鳴き声がします」いつもこの時間帯に起きるのか、けたたましい鳴き声が住宅街に。
近くで撮影していた、そのとき。一斉にねぐらを飛び立つ外来インコたち。
Nスタ
「すごい大群が空を飛んでいます」飛び去った後、住宅街に残されたのは…
近隣住民
「もうフンがすごいですよ。だからもう諦めています拭いてもまた来るから」車や道路には?迷惑な落とし物”が。
それにしても、なぜ外来インコが都会で大繁殖しているのか。
インコは1970年代のペットブームで大量に輸入。しかし、ワカケホンセイインコは鳴き声がうるさいなどとして飼育を放棄する人が続出し、首都圏を中心に大繁殖したのです。
練馬区は鳥が嫌がる音を鳴らすなどの対策をとっていますが繁殖に歯止めはかかっていません。
■荒川で中国原産の巨大魚「わんさかいる」
外来生物の問題は埼玉から東京に流れる荒川でも。
去年12月 撮影者
「ガーだ ガーだ アリゲーターガーだ! えっマジ?」本来は北アメリカに生息し、特定外来生物に指定されているアリゲーターガー。
撮影したのは埼玉南部漁協に所属し、Youtuberとしても活動している あらかわさん。
埼玉南部漁協 あらかわさん
「有名な魚だとブラックバスとかブルーギル。それからこの辺だとアリゲーターガーとかハクレンみたいな生き物がとれたりする」荒川には既に多くの外来種が生息しているといいます。そこで、許可を得て網を投げてみると…
あらかわさん
「大きいのがいるな… ハクレン、ハクレン 全部ハクレンです」早速、巨大な魚が。網を引き揚げるのも一苦労。
捕まえたのは中国原産のハクレン。これも日本にいるはずのない外来種です。大きさはなんと93センチ。重さ10キロほどの肉食魚類です。
あらかわさん
「アリゲーターガーに加えてこんな大物もわんさかいる場所。もともとは食用魚として持ち込まれてそれが捨てられて増えたといわれている」外来生物の多くは人間が捨てるなどして、爆発的に繁殖。このまま放っておくと生態系に悪影響を及ぼすおそれもあるのです。
■アフリカの熱帯魚が横浜の用水路に…掘り起こす人も
こうした外来種の目撃情報は神奈川県・横浜市の住宅街でも。農業用の水路を整備し、鯉も生息するこの場所で大繁殖している外来魚とは。
Nスタ
「あそこあそこ、いたいた。青いシマシマの魚がいます」水中にカメラを入れてみると全体が青色でシマシマの魚が。さらに背びれが黄色の魚も。この魚はいったい…。
横浜市のペットショップで話を聞くと。
アクアグレース 髙橋弘子さん
「ゴールデンゼブラシクリッドになります。誰かが放さないとここにはいない魚なので放してはいけない」ゴールデンゼブラシクリッド。
本来はアフリカの南東部・モザンビークやタンザニアの国境付近にいるはずの熱帯魚。水温が20℃以上でないと生きられない魚が、なぜ横浜で大繁殖しているのでしょうか。佐江戸せせらぎ水辺愛護会 安部喜平会長
「ここは条件がいい、下水処理した水ですから温度が20℃前後ですから」水路の近くには下水処理場があり周辺よりも比較的温かい水が流れています。このため、寒い冬も乗り越えてきたとみられます。
SNSでも話題になったこの熱帯魚。
それがいま新たな問題に。安部会長
「ここの地元の人間じゃなくて他所からバーッと来て、5月の連休にみんな水路に入った 子どもたちとか大人も」横浜に熱帯魚がいるという情報を聞きつけた人たちがゴミを捨てるなど川を汚していくというのです。
こうした事態に住民たちは看板を設置し、注意を呼び掛けていますが…
Nスタ
「学生ですね、大きな網を持って水路を掘り起こしています」熱帯魚を捕まえようと網や釣り竿を持った人たちの姿が。
住民
「ダメだよ、ここは釣りしてはいけない」もともとは飼育を放棄したことで始まったとみられる外来生物の問題。
住民たちは根気よく注意していくとしています。
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